財布/2003年4月15日(再録)

 


1年近く前に購入したのが写真の財布です。
 
以前持っていた財布はボロボロになっていたのだけど、何となくそのまま使い続けていました。たまたま高校時代の後輩が経営している銀座のお店を初めて訪れた時に目にしたのが、ショーケースに陳列されていたこの写真の財布でした。
一目で、漂う本物感というか、品があるのにとてもしっかりした作りが気に入りました。
 
作者はデンマーク人のハンス・オスター氏。
 
エルメスが専属契約を申し出たほどの超一流の革職人とのことですが、その申し出を断り、デンマークにある自分の小さな工房でコツコツとハンドメイド制作を続けているそうです。
 
陳列ケースには他にもバッグや様々な財布、名刺入れ、靴などもありましたが、どれも素晴らしい出来で、懐具合が許せば欲しい!と思わせるモノばかりです。
 
僕がさらに驚いたのは、後輩も愛用しているオスター氏制作の財布です。
すでに15年使い続けているのですが、それが僕が今購入しようとしている、まさに新品のその財布と何ら変わらない状態であったことでした。
 
違いと言えば長年使い込まれているので、革の表面が艶やかなことくらい。革を縫製している糸のほつれ、革そのものの破れ、痛みなどが一切なかったのです。言われなければ、コレが15年使われている財布だとは絶対に分からないほど。
 
「もう一生モノですよ」と話す後輩の言葉はその通りです。
 
また、制作されるモノ自体も確かに素晴らしいのですが、それと同時に感動したのはオスター氏の姿勢です。小さな工房だそうですが、日々お客さんのオーダーを受け、弟子一人とコツコツ制作する姿はうらやましいと思いました。
 
本当に良いモノを長く使う気持ち良さを、この財布で日々感じています。